クラシック音楽

【有名な曲】牧神の午後への前奏曲

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こんにちは、ミミです!

今回は、ドビュッシー作曲『牧神の午後への前奏曲』の事を書いてみます。

  

  

聞いただけで幻想的な雰囲気を感じませんか?!この曲がどういったイメージで描かれた作品なのか、ドビュッシーの事なども交えながら知って頂きたいと思います^^

  

【有名な曲】牧神の午後への前奏曲

   

この曲は難解な作風といわれる詩人マラルメ(1842-1898)自身が、自作の相聞歌『牧神の午後』の舞台上演にあたり、ドビュッシーに作曲をしてほいしと依頼して書かれた作品です。

マラルメはドビュッシーの音楽を聞いて、それまで体感した事のない響きに感銘を受けての事だと残されています。

当時ドビュッシーは28歳です。裕福ではない両親の元に生まれましたが、飛躍的な成長でパリ音楽院に入学し、学内やコンクールでは「風変りすぎる」「才能はあるが危険」などなかなか認められるのに時間がかかりました。ローマに留学するもすぐに戻って来て、裕福な人々に好かれながら教養を補い、自らの感性に偽ることなく自由な作品を目指して続けていました。

作曲したものの、この作品が1891年に上演される直前になって延期され、そのまま立ち消えになってしいました。

そして、1894年に初演されました。当初は、前奏曲、間奏曲敷衍曲(ふえんきょく:ある楽曲を他の楽器に変奏編曲している曲。パラフレーズ)がさっきょくされていましたが、

前奏曲の完成度だけで十分に表現されているということで、前奏曲が演奏され、大成功を収めました。(演奏会での大成功とは、聴衆を感動させ、大変に良く評価されたという事です)

  

【有名な曲】牧神の午後への前奏曲

  

では、『牧神の午後』は何が書かれているのか、どんなイメージが描かれているのか、みてみましょうね!

  

『シチリアの暑い夏の午後に森でまどろんでいた半人半獣の牧神が、水の精のバラ色の体を見たように思い、自らの欲望のまま次々とイメージを広げていくさまを描いています。

大気までもが押しつぶされてじっと動かない佇まいの中、彼の葦の音だけが渡っていく。緑の茂みが泉に映って群青の金色となり、そこに真っ白い生き物が憩う。夏の空に輝く葡萄、牧神の情熱のように熟した石榴・・・高まった思いは真昼の静寂に虚しく打ち負かされ、彼は倒れて眠り込む。』

   

色彩鮮やかだけでなく、香り、体に感じる空気の触感、味までもが感じられるようではありませんか?

  

マラルメは出来上がった作品を聞いて、

「このようなものは予想だにしていなかった!この音楽は私の詩の感情を引き延ばし、色彩よりもっと熱烈に詩の背景を設定している」と言ったそうです。

そして初演後に、『牧神の午後』の本に以下の言葉が書いてドビュッシーに贈られたました。

  

森の神よ、最初の吐息でお前の笛が見事に鳴ったとしたら

ドビュッシーが

そこに吹き込むはずの光をすべて聞いたからだよ

   

   

(作曲家 人と作品シリーズ「ドビュッシー」P58より)

   

【有名な曲】牧神の午後への前奏曲

  

いかがでしたでしょうか。

どこかで聞いたことのある音楽も、少し背景や描かれている事の情報を知っただけで、より興味深く、心に響き方も感じられるのではないでしょうか。

クラシック音楽が、皆さまの楽しみ、喜び、癒しとなりますように。 

それでは、また!  

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