こんにちは!
前回に引き続き、ビゼー作曲のオペラ『カルメン』の解説をしますね。
一幕から、ストーリーに沿って書いていきます。あらすじではなく、小さなエピソードも含めて解説しますので、少し長くなるかもしれませんが、これを読んで内容を把握すれば、舞台上で何が起きているか分かり、字幕なしでオペラが見れる様になります。
オペラの音楽と舞台を十分に楽しんで頂くためには字幕を追ってしまってはもったいないので、あらすじ+対訳からエキスを抽出しています。なるべく簡潔にオペラ全編をお伝えしますね!
登場人物と簡単なあらすじは、こちらの記事をご覧頂ければと^^
オペラ【カルメン】一幕
セビリアのタバコ工場の前の広場。兵士のモラレスたちが、おどおどしているミカエラに話しかける。ミカエラはホセを探していると言うので、「交代の時間になったら来る、それまで俺たちと遊ぼうぜ」とナンパ。ミカエラは断り、また戻ってくるわ、と逃げる。残された兵士たちは「小鳥は逃げちまった、ガッカリだな」と、また広場を眺めて暇を潰す。
老紳士と、その若い夫人が歩いてくる。きっと奥さんに愛人が居るぞ、と噂をしている。そこへ若い男が現れ、老紳士の気を引きながら、夫人に文を渡している。その様子ずっとモラレスは説明している。(※このエピソードはカットされる事があります)
子供たちが「衛兵の交代だ、僕らも行くぞ、ラッパを鳴らせ、トララララ~」とコーラス。ホセもやってきました。モラレスは、若い女がお前を探しに来たぞ、と伝える。
大尉がやってきて、ホセにこの工場について聞いている。ホセは4~500人の女たちがタバコを巻いている、アンダルシアの女は手強いですよ、と。話はミカエラの話になり、ホセの身の上が語られる。信仰の道にすすむことを望まれたが、ゲームに熱中し喧嘩に発展し、それが元で故郷を追われて兵士になった。母親はセビリアから10里離れたところに居を構え、孤児のミカエラをずっと大切に側に置いている、と語る。
そうしているうちに、鐘が鳴る。タバコ工場に休憩を終えた女たちが戻ってくる時間だ。
【言わずと知れたオペラ歌手マリア・カラスのカルメン】
昼休みを終えて、女たちが工場に戻ってきた。女性のコーラス:「タバコの煙が芳しく昇っていく」とタバコをくゆらせながら歌っている。男たち:「カルメンシータの姿が見えない、どこだ?来たぞ、カルメンだ!俺たちをいつになったら好きになってくれるんだい?!」
いよいよカルメンの登場です!!カルメン:「いつあんたちを愛するかって?分からないわ、今日ではない事は確かだわ!」と語る(★カルメンの一番の有名なアリア「恋は野の鳥(ハバネラ)」が歌われます)
カルメンがホセに気付き、赤い花を投げつけます。なんて傲慢な女、魔女は本当に居るんだな、と気になってきたホセです。そこにミカエラが戻ってきました。彼女は、ホセのお母さんからのキスよ、とホセにキスし、手紙を渡します。その手紙には「賢く優しいミカエラと結婚して、私の元で暮らしてほしい」と記してありました。返事は、明日私が帰る前に持っていくから、とミカエラは去ります。残ったホセは、手紙の内容を噛みしめています。
(キャラクターが出揃いましたね。ものすごく魅力的なカルメンと、優しく賢い純朴なミカエラ、対象的な女性二人の間で、ホセはこの後どうなっていくのでしょうか・・・)
騒ぎが起きています。カルメンシータとマニュエリーナという二人の女性が喧嘩をし、周囲の女たちも騒いでいます。連れて来られたカルメン、「話す事はないわ、秘密は守るの。煮るなり焼くなりしておくれ、トララララ」といった調子。
ホセは、カルメンを縄で縛って牢屋へ連行する命を受けました。
カルメンはホセに逃がしてくれるよう、言葉巧みにせまります。(★私と一緒に飲みに行きましょうよ、と魅惑的誘う歌は有名です。)
とうとうホセは、カルメンに魅了され、縄を解きます。俺が愛する限り、愛してくれよ、約束した店で会おう、と。(あーあ、ミカエラに手紙を貰ったばかりなのに、、、)
大尉がやってきて命令書を渡します。カルメンを連行すると見せかけ、大尉の隙を突いてカルメンは逃げました!!!
「恋はジプシーのこども、掟なんてないわ。そっちに気がないなら、私は惚れる。私が惚れたら用心してよ」と、登場時のハバネラのアリアの一節を歌う。
(二幕に続く)
全般を通して緩む事なく進むストーリー、重厚で華やかでミステリアスな音楽、上記の訳を知っていれば飽きずに観れると思うので、ぜひ1幕だけでも見ていただきたいと思います。
それでは今日は、この辺で。次回もお楽しみに!
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