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オペラ【コジ・ファン・トゥッテ】第二幕②

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さぁ、『コジ・ファン・トゥッテ』クライマックスに向います!

それまでのお話は、こちらをお読み頂ければと思います♪

登場人物とあらすじ / 第一幕① 第一幕② / 第二幕①

  

  

(シーン9)

ドン・アルフォンソ(DA)とグリエルモ(Gu)がそっと聞いている中、ドラベッラ(Do)に裏切られたフェッランド(Fe)のアリアです。

「尋常ではないケースに直面している。ドン・アルフォンソは嘲笑しているだろう。僕の魂は、あの不実な心に裏切られたのに、彼女を求めている。」

落ち込む(Fe)と、(Gu)は自分の恋人のフィオルディリージが誠実なのは自分の魅力のなせる業だと自慢する気持ちをちらつかせ、賭けに勝ったぞ、と言います。しかし(DA)は「もうひとつ試してみたい、明日まではいうことを聞く約束だろ」と、何かを起こそうとしている様子です。

  

(シーン10)

デスピーナ(De)は(Do)が新しい恋人と一歩を踏み出したことを讃えています。

(De)「お嬢様、立派です!見直しました!チャンスはそうそうありませんから、ゲットしなくては!」

(Do)「あの誘惑に打ち勝つのが無理だっただけよ(うふふふふ)」

そこへ浮かない顔の(Fi)が入ってきて、具合でも悪いのかと他の2人に心配されます。

(Fi)「最悪だわ!私の愛はグリエルモだけのものではないのよ。」

姉妹揃って新しい恋に芽生えたようです。(De)と(Do)はテンションが上がっていますが、(Fi)だけは戦地に行った恋人が気がかりです。

(Do)「私たちの昔の恋人が戦死しないって保証はないわ。万が一があったら大変よ。彼らがもし還ってきたら、彼らがツイていないだけだわ。私たちもう遠くに行ってしまっているもの。私たち女なのよ!」

(Fi)「あなた1日でこんなに心が変わってしまうなんて」

そして(Do)のアリア「愛の神は狡猾な蛇、安らぎを与えるのも気紛れ、好きにさせておけば甘美だけど、こぶしを振り上げたら味覚を損ね、噛みつくわ。思い通りにさせれば、私も自由でいられるわ」

  

(シーン11)

この状況を打破するために、(Fi)は、何も聞かないで!と命令をし、恋人たちの軍服を(De)に持ってこさせました。そして、馬を用意するよう言いつけます。(De)は頭がおかしくなったのか、と呆れています。

これを着て戦地に紛れ込み、自分の恋人への心を守り抜こうという作戦です。(・・・ちょっと無茶な、と思いますよね^^)

  

(シーン12)

(Fi)「私はこの軍帽をかぶるわ!髪飾りよ、私の頭に戻れるなんて思わないで!」

出発の準備をしているところに(Fe)が現れ引き止めます。

二重唱

(Fi)「何も言わないで、私は不幸なのです!神様、どうしたらいいのですか」

(Fe)「君の心を、それが叶わぬなら死を。その愛の眼差しを与えてください、もうじらさないで」

(Fi)「公正な天よ、私の負けです。あなたの好きなようにして頂戴」

(二人)「抱きしめ合おう、苦悩が慰められる。甘美な愛情と喜びの吐息によって」

    

(シーン13)

今度は(Fi)が陥落するのをまのあたりにしたグリエルモ(GU)が落ち込んでいます。

(DA)「解決策はある、妻にしてしまえばよいのだ」

2人は裏切った恋人を制裁したいと思っていて、妻にするなんて地獄の扉や火山の火口と一緒になる方がマシだと言いますが、(DA)は他の女が何をしでかすか、恋人を見れば想像がつくだろう、と諭します。

(DA)のアリア「恋人を受け入れればよい、必要なのは哲学だ。人は女性を非難するが私は責めない。若い女も年老いていても、美人でも醜くても、“女性はたいていこんなもの!”(=cosi fan tutte)」

  

(シーン14~)

デスピーナ(De)が、お嬢様たちが新しい恋人と結婚をして、3日以内にここを離れる約束をしましたよ、と報告しに来ます。

広間には宴の準備がすすめられて、召使たちは走り回っています。

(合唱)「急いで、豪華で気品あふれる準備をしよう」

(De)と(DA)「いまだかつてこんな茶番劇は見たことがない」

  

(シーン16)結婚式が始まります

(合唱)「二組のカップルに幸あれ。神が彼らを讃え、美貌が子孫に受け継がれますように」

(姉妹&男性二人)「この功績は愛するデスピーナにもたらされるだろう。大きな喜びのうちに着席しよう。グラスを飲もう!グラスの中にあらゆる不安を沈めましょう。過去の思い出を残さないように」

(グリエルモ)「あぁ、独でも飲み干せばよいのに、圭よを持たぬ女狐め!」

   

(シーン17)公証人の登場 ※結婚を公的に証明する人、オペラではよく出てきます

(De)が変装した公証人が登場します。

「正式に結婚が成立します。崇神はフェッラーラ出身のマダム、新婦はアルバニア出身の貴族であられう。フィオルディリージさんにはセンプローニオくん、ドラベッラさんにはティーツィオくんで・・・」

(姉妹&男性2人)「分かりました、信頼し合っていますから、早くサインします」

    そんな事をしていると、突然遠くから聞き覚えのある大きな太鼓の音が響いてきます・・・

(合唱)「素晴らしい軍隊生活、毎日移動生活、陸かと思えば海にも進軍・・・」

(DA)「最悪の事態、君たちの婚約者が・・・帰還した!あぁ落ち着くんだ!」と聞いて驚く姉妹たち。急いで新しい恋人たちを隠します。

(Fi)&(Do)「ああ神様、誰がこの危機から助けてくれるの!幾千もの忌まわしい想いが駆け巡る、この不貞が露見したら一体どうなってしまうの!」

(ラストシーン)

マントと軍服を手にしたフェッランド&グリエルモが登場します。さっきまで異国の貴族でしたが、裏に隠されてから変装を解き、元の姿で何もなかったかのように登場したわけです。

(Fe)&(Gu)「国王が服役命令を解除なさった。歓喜に溢れて愛する婚約者の元に戻ったのだ!それにしても蒼い顔、暗いが、どうしたんだ??」

(FI)&(Do)「ああ言葉にならないわ。これで死ななければ奇跡だわ。」

  

婚約者たちがトランクをあの部屋に置いていいかな、と行くと、結婚の公証人が見つかります!一体何をしているんだ!!と聞かれると、自分は公証人ではなくデスピーナだと自ら正体を明かします。(Fi)&(Do)は驚きます!(※デスピーナも、異国の男たちが(Fe)と(Gu)だとは知りません)

(DA)は、男性二人にこそっと「結婚証明書を落しておいたから、タイミングよく拾うよう」伝えます。

結婚証明書を発見したふりをした男性二人は、姉妹たちに怒り、裏切り者!となじります。

(Fe)&(Gu)「まさか!君たちはここにサインしたのか!裏切り者!ああ調査をするぞ」

(Fi)&(Do)「わたしの不貞は死に値しますわ。この胸をその剣で一突きに!慈悲はいりません。何があったかは、あの残酷な人(DAのこと)と、唆し女(Deのこと)が語ってくれますわ」

(DA)「証拠はあの部屋に閉じ込めてある」

男性二人は異国の男がかくれているはずの部屋に入って行き、姉妹たちは凍てつき、動機が高鳴ります。

  

そして、部屋から出てきたのは・・・異国の男に半分変装した二人でした!

(Fe)「あなたの御前に膝待づきますよ、アルバニアの貴族が!」

(Gu)「この肖像画をお返ししましょう!」

フィオルディリージ、ドラベッラ、デスピーナはビックリ!

(Fi)&(Do)「こんな苦痛に耐えることが出来ないわ!私たちを騙したのは(DA)よ」

(DA)「君らを騙しはしたが、恋人を目覚めさせるためにしたまでのこと。両人ともいぜんより賢明になるだろう。さあ、きみたちは新郎新婦だ!さぁ微笑んで、私は微笑み続けるよ」

新婦たちは誠実な愛をもっていつも共にある事を誓い、新郎たちはもう試したりなんかしないと約束します。

全員でのフィナーレの重唱:「どんな時も良識を持ち、いつでも理性で導ける人は幸せな人。人を悲しませる事だって笑いの種に出来る。世の中がどんなに混乱していても、穏やかに過ごせるというもの」

   

(オペラ『コジ・ファン・トゥッテ』おわり♪)

  

  

  

(つづく)

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