こんにちは、ミミです!モーツァルトのオペラ『コジ・ファン・トゥッテ』の解説を続けています。
このオペラは全二幕なのですが、上演時間は3幕ものより短い・・・というわけではないので、一幕ずつがちょっと長い感じですよ。では、第二幕をはじめましょう~
それまでのお話をまだご存知でない方は、こちらからどうぞ♪

オペラ【コジ・ファン・トゥッテ】第二幕①
(シーン1)
デスピーナ(De)がフィオルディリージ(Fi)&ドラベッラ(Do)に、“女たるもの恋愛で遊び楽しむべき”と悟し、誘惑しますが、姉妹たちはなかなか考えを曲げません。しかし、(De)の話に少しは興味がある様子、そこで(De)はこうアリアで表現します。
デスピーナのアリア:「女も15にもなったら、手練手管を知っているべきです。何食わぬ顔で嘘をつき、女王の様に従わせるのですよ!・・・私の味付けが気に入った様ね、素晴らしいわよデスピーナ!」
(シーン2)
今度は、姉妹二人で話し合いをしています。(De)の話を信じるのか?ということを。
(Fi)は恋人がいるのだから絶対ダメ、と言います。
(Do)はまんざらでもない様子です。どちらの男性を狙うを私はもう決めているわ!と宣言します。
そして二重唱が歌われます
(Do)「私は黒髪の方のするわ。ふざけ半分に、甘い言葉で応えてあげるの」
(Fi)「それなら私は金髪の方よ。溜息まじりに愛をささやいてみるっわ」
(二人)「なんて幸せで楽しい気晴らしなんでしょう!」
(シーン3~) 海岸に面した庭
フェッランド(Fe)とグリエルモ(Gu)「そよ風よ、私の苦悩の叫びを愛する人に届けておくれ」
庭が飾り立てられています。(Fe)&(Gu)は毒の事件の事を詫びようとするのですが、モジモジして上手く話が進みません(というフリをまたしています)
そこで(DA)が代わりに話し、また、姉妹の代わりに(De)が応えます。
(DA)「この愛の奴隷が許しを乞うております。無礼を承知で、どうか願いをかなえてください」
(De)「過ぎ去ったことは忘れましょう。婚約の手かせ足かせも忘れましょう」
(DA)&(De)「ここを離れよう。あとは彼らの力量次第。それでも貞節を守り抜ければ、悪魔より評価に値する」
(シーン5)中庭に姉妹と2人の男性
(Fi)と(Gu)、(Do)と(Fe)のそれぞれ分かれて散歩をしています。
男性たちは除籍を口説きながらも、本来の恋人の様子が気になっています。もちろんそうなりますよね・・・
●最初にドラベッラとグリエルモの組を覗いてみましょう!
グリエルモが愛の情熱を語り、ハートのペンダントを自分の心臓だと言ってドラベッラに捧げます。
躊躇しつつも、「あら、高そうだわ…♪」と思いながら受け取ります。彼女の本来の恋人のフェッランドを憐れみながらも、任務を遂行するのは軍人の務めだ!、と(Do)に更に迫り、(Do)の持っている恋人の写真の入ったペンダントのあった場所に自分の贈り物を持つように願います
二重唱
(Gu)「受け取ってくれて嬉しい、あなたの心も僕にください」
(Do)「あなたがくださるものは頂きますが、私の心は差し上げられないわ」
(二人)「新しい喜び!数々の幸福と、ひとつの甘い痛み」・・・(Gu)の誘惑で、最後に二人は抱き合います。
●ではフィオルディリージとフェッランドの組はどうなったでしょう?!
(Fi)は(Fe)を拒絶して逃げています。
「コブラ、※ヒドラ、※バジリスコ、あっちへ行って!」と叫びます。※これらは、神話や伝説の怖い生き物です
そこでフェッランドのアリアです
フェッランド:「もっと優しい目で見てください。僕は知っています、その美しい魂が、この嘆きに耐えられない事を。しかし無慈悲なあなたは僕を遠ざける、どうか願いを聞き入れてください」
そしてフェッランドはその場を立ち去ります
(シーン7)
一人になったフィオルディリージの独白の場面です。彼女は、グリエルモを愛しながらも、新しい恋人の事も愛児始めていて心は葛藤し、混乱しています。
フィオルディリージのアリアが歌われます。
「行ってしまう…待って、でもだめよ。なんて苦しいの、でもこれは私のような女には当然の報いね。私は燃えているわ、これはかつての気高い愛の炎ではないの、焦燥、苦悩、後悔、不実、そして裏切りよ。
恋人よ、この過ちを許してください。木々の間にこの恥辱が隠されますように。でも、誰に対して不誠実だと言うの?この心は、あなたの清廉さに十分な報いがあるべきだったわ」

(シーン8)
グリエルモとフェッランドが結果を報告し合っています。
フェッランドは、(Fi)の貞節は固く、僕を追い払った、と報告します。
グリエルモは、(Do)から貞節の証として君の肖像が入ったペンダントを貰ったよ、と言われ、
(Fe)は怒り、悲しみを顕わにします。「残酷で、不実な女め、たった数時間で…」
グリエルモのアリア:「確かにこれは驚くべきことだ。女性たちは確かに愛らしく、優美さに満ちている。しかし不貞行為に及ぶことは信じられない、男声諸君が嘆き散らすのには、はっきりした理由があるのだ」
(つづく)