こんにちは!
今日は、イタリア人作曲家ロッシーニの歌曲、
「La Fioraia Fiorentina (フィレンツェの花売り娘)」
について、詩や解説をしたいと思います。
軽快で楽しい雰囲気の曲です♪まずは、聞いてみてください。
【どなたか存じませんが、映像が美しいので参考にさせて頂きました♪】
題名の通り、イタリアのフィレンツェでお花を売っている女性を表現しています。早速、詩を見てみましょう。繰り返しが多いだけで、詩は短いですよ。
【ロッシーニ】フィレンツェの花売り娘
美しいバラです、買ってください
娘さんや愛しい奥さんにいかがですか
これはとても新鮮で、愛だけで出来ているんです
あぁ!助けを求めているんです
可哀想な私のママは、私だけが頼りなの!
パンを!お金ではないの
道行く人に、「きれいなバラですよ、買ってください~」と呼びかけています。
そして、
自分の母親の話を突然始めていますね!同情をかおうという作戦でしょう。
また、「お金ではなく、パンが必要なだけなんです」なんて言っていますね。
きっと本当はお金が欲しいわけですよね?!笑
ずる賢くて、あざとい!様子を感じられませんか?
次に、この、花売り娘、というものに関して深めてみました。
旅行した方やヨーロッパにお住いの方のお話を伺うと、
花売り娘たちは今も各地で暗躍(?!)しているようなのです!
ブログなどでも、ウィーン、スペイン、フランス・・・欧州全土で体験談が見つかります。
例えば、お花を持って笑顔で近づいてきたので、何かのキャンペーンかと思って受け取ったとたん、お顔が豹変、寄付金を払って!!と迫ってきたそうです。何の寄付金か尋ねると「for me」とのこと。“私のために寄付しろ”と。。。
まさに!
この歌の話ではありませんか!!
この「フィレンツェの花売り娘」というのは、単なる“花屋さん”ではないのです。はっきり言えば、物乞いですね。
生きるために必死、半ば強引にでも売りつけなければいけないのです。
それから、もうひとつ、
花を売る娘 = 自分の春を売る娘
という意味で花売り娘、という言葉もあるようですね。
お花を持って近づいて、お金を持っていそうな男性に、花と共に自分も売り込むと・・・
自分で歌うならば想像を大きく広げて、演じる人の設定を考えて歌いたいものです。
私の場合は、後者の意味の花売り娘だとちょっとダークになりすぎるので、「私のために寄付してよね!」っと、可愛く、かつ、強めに迫っていく感じで歌いたいです。
短い詩ですが、色々なイメージを膨らませられるのもクラシック音楽の楽しみ方のひとつではないでしょうか。
あと、書いておきたいのは、
この曲について調べようとすると、解説などで、
“この曲は、「黙って嘆こう」がオリジナルです”
“ロッシーニは「黙って嘆こう」に30曲以上作曲しました”
などと書いてあって、私は「???」だったのですが、何を言っているのかというと
「Mi Lagnero’ tacendo」という詩があって、それに合わせてメロディーを作り、
そのメロディーをベースに変形させて、この「フィレンツェの花売り娘」のように別の曲を作曲した
という事の様です。
なぜそんな必要があったかというと、
サロンなどで、高貴な方々に曲のプレゼントをする時に、すぐに作曲したいので、この「黙って嘆こう」のメロディーをベースによく使っていた、ということの様なのです。
なんだかちょっと難しい話になってしまったかもしれないのですが、私と同じ様に「黙って嘆こう」ってなんなのよ?!?!となっていた方の助けになればと思い、記しておきます。
ちなみに、「黙って嘆こう」は、オペラ『シローエ』というペルシャ王を題材にしたお話の中に登場する曲です。マイナーすぎて私もまだ聞けていませんが、そのうち聞いてみようと思います♪
興味のある方はぜひお試しください。
色々な話をお出ししてしまいましたが、
純粋にこの曲を楽んで頂けたら嬉しいです♪
色々深堀りして、色々な方向に知識を派生していけるのもクラシックのおもしろさだと思いまう。
クラシック音楽が、皆様の楽しみ、喜び、そして癒しとなりますように♪
それでは、また!