オペラ名曲

【オペラ名曲解説】ルチア狂乱の場(ランメルモールのルチア

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映画『フィフス・エレメント』で宇宙人?が歌っているオペラの曲として聞いたことがある方も多いと思われる

ドニゼッティ作曲『ランメルモールのルチア』より、狂乱の場のアリアをご紹介します。

主人公ルチアは、敵対する家柄のエドガルドと密かに結婚を誓った仲です。

しかしルチアはお家復興の為に、政略結婚させられてしまいます。

結婚承諾書にサインをしたことを知ったエドガルドは激しくルチアをなじります。

その後、人々が結婚を祝っている宴の場に、ウェディングドレスを血まみれにしたルチアが現れます!!!(ぎゃーーー!)

寝室でㇽチアは夫となったアルトゥーロを刺し殺したルチア、しかし様子がおかしい。訳のわからない事を言っているんです。

では狂乱のアリア、歌の内容か更に見ていきましょう。

【ルチア狂乱の場】

甘い響きが聞こえてきたの、彼の声が。私の中にはいってきたのよ。

エドガルド!私はあなたの所に戻ってきたわ。私のエドガルド!

あなたの敵から逃げてきたの。

体が震えるわ、冷たいものが入ってきた

足がふらふらする…あぁ、あの泉の側ね…

お願い、少しでいいから側にいて。亡霊が、私たちを引き裂くわ!!!

(ルチアはオペラの最初の方で、泉で殺された女の亡霊を見た、という話をしています。その呪いで気が狂ってしまったとも考えられますね。)

【マリアカラスバージョンですね】

(さっきまで、亡霊だわ!と騒いでいましたが、雰囲気が変わります)

エドガルド、ここに身を隠しましょう。この祭壇の下に….

バラの花が撒かれている。清らかな音楽が、ねぇ聞こえない?

私たちの婚礼の曲だわ。

私たちの為に、準備されているのね。なんて幸せなの!言葉に表せないわ!

お香が焚かれ、神聖な炎が輝いている。

こちらに神父様が。右手をお出しなさいですって。幸せな日!

ついに私はあなたのもの、あなたは私のものよ。神様が私にくださった。

全ての喜びを分かち合うことで、更に喜ばしく。天が祝福しているわ。

(ルチアの妄想の場面、激しいですね。美しい音楽が、場面の恐ろしさを際立たせているようです)

【韓国人ソプラノのスミ・ジョーのアルバム】

(さっきまでの幸せ妄想から、またコロっと変わります)

何が欲しいの!一体何が欲しいの?

惨めな私、そんな目で見ないで!私はサインしたわ、恐ろしい怒りのために。

神様!その指輪をふみにじるのね。私は犠牲になの、残酷な兄のね!

でもエドガルドを愛しているの。今もよ!

誰の事を言ったの?アルトゥーロ?あなたアルトゥーロの事を言ったのね

行かないで!お願いよ、許して、エドガルド!行かないでエドガルド!

(いよいよヤバい感じですね。。。たたみかける、切迫した音楽です)

(ここから、やっとアリア(歌)になります。長かったですね)

あなたの涙で、私のお墓を濡らしてください。

そうしたら、私はあなたのために天国で祈ります。

あなたさえここに居てくれたら、私にとって美しい天国になります。

(歌の詩は短いですが、歌手が技術をこらして歌うクライマックスの中のクライマックスです。音楽がはじけるように明るいのですが、それこそがルチアが狂ってしまっている証の様な、美しくも怖い歌です。)

以上が【ルチア狂乱の場】でした。

このオペラは“狂乱もの”というように、ヒロインが失意のあまり狂って死ぬ、というストーリーが流行った一時代のものです。

原作は実際に起きた事件からインスピレーションを受けて書かれました(ランマムーアの花嫁)

今のような自由な時代ではなく、人々の思惑の中で翻弄された少女の話に、当時の人々は惹きつけられたのかもしれません。

作曲者ドニゼッティは、喜劇もたくさん書いています。音楽も楽しく、しっとり聞かせるところもあり、素敵なオペラが他にもありますので、また紹介しますね。

それでは、また!

TERNARY(ターナリー)

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