こんにちは、ミミです!
今日は、プッチーニの遺作となるオペラ『トゥーランドット』から
「誰も寝てはならぬ」の解説をしたいと思います。
クラシック音楽を普段聞かない方でも、この曲は知ってる!好き!という方も沢山いらっしゃるのではないでしょうか。
この曲は放浪の身となっている王子カラフが歌う男性の曲です。テノールという、男声の中で髙い声の人の役柄です。
人気のある曲なので、女性でも歌っているポップスの方などもいらっしゃいますが、“テノール(男性)の歌なんだな”と、このサイトを訪れてくださった方には知っていたいただきたいと思います^^
でも、あの曲がなぜ“誰も寝てはならぬ”とか言ってるのかご存知ですか??
今日はそのあたりの事情を知って頂きたいとおもいます^^
まず、このオペラの舞台は、中国・北京をイメージした都市です。
求婚してくる王子を残酷にも次々殺していくお姫様トゥーランドット、彼女に恋した王子・カラフが、夜明けまでに私の名前が分かったら私も死にましょう、でも分からなければあなたは私のものです、という約束をします。
姫は、架空の街ペキンの民衆に、「奴の名前を見つけ出せ!それまで誰も寝てはならぬ!」御布令を出します。
この姫の「誰も寝てはならぬ」という言葉を受けて、カラフが歌うのが、この有名な「誰も寝てはならぬ」(Nessun dorma)です!
では、歌詩の内容を見ていきましょう。
誰も寝てはならぬ、ですと
あなたもですよ、お姫様
冷たい部屋で星空を見上げ
愛と希望に打ち震えながら
★わたしには秘密が隠されています
誰も私の名を知る者はない
あなたにそっと口付けをして打ち明けよう
光が放たれる時
口づけが沈黙を破る
あなたは私のものとなる
★夜よ消え去れ、星よ隠れろ
夜明けには、あなたを勝ち取るのだ!
と、以上が歌詩です。
★を付けた部分は、サビのパートというか、よくテレビなどで使われるメロディーのところです。聞いている時に参考になればと思いました。
●“冷たい部屋”というのは、実際の部屋というよりか、姫の閉ざしてしまった冷たい心、を表していると思います。残酷な姫ですが、なぜこんな風になってしまったか、男性不信になっているか前の場面のアリアで歌われるんですけどね、あんまり人気はない曲の様です(汗)でも、また紹介しますね。
●“光が放たれる時”というのは、太陽の光が放たれる時=夜が明けたら、という意味です。この約束の期限は夜明けまでとオペラの中で言及されています。
●最高音で最高に盛り上がって終わるこの曲の最後は、「私が勝つんだー!!!」と叫んでいるんです。
以上を踏まえて、改めてお聴きください!
いかがでしょうか?意味を知ると、更に感動的になりませんか!?
怒り、不安、悲しみ、憤り・・・最近の社会にはそんな気持ちが渦巻いていますが、こんな希望を力強く歌う曲を聞いて、皆様の心の栄養に是非していただきたいと思います。
クラシック音楽が、皆様の喜び、楽しみ、癒しとなりますように。
それでは、また!