こんにちは!ソプラノ歌手、ミミです。
今日は、プッチーニのオペラ『ラ・ボエーム』から
人気のアリア、「Quando men vo’」(私が町を歩くと)をご紹介します♪
このオペラの主人公はミミという貧しい女の子なのですが、
ムゼッタは、ミミの恋人ロドルフォの友達マルチェッロの恋人です。
オペラの舞台は、19世紀のパリ、芸術家の卵たち4人が貧しくも陽気に暮らしています。そんな時にミミと詩人ロドルフォが出会い、恋に落ちます。しかし病気に侵されているミミは最後に恋人の腕の中で息を引き取る・・・という悲しい恋のお話です。
さて、この歌が登場する場面を解説します。
パリのカルチェラタンのカフェで、ロドルフォが仲間にミミを紹介していると、ムゼッタがパトロンのアルチンドロと現れます。こちらの席に元恋人のマルチェッロが居る事に気付いたムゼッタは、アルチンドロそっちのけでマルチェッロを挑発するように歌うのが「私が町を歩くと」です。
では、ムゼッタの歌う詩をみていきましょう。
【ラ・ボエーム】私が町を歩くと
私が町を一人で歩いているとね
みんなが振り向くのよ
私の美しさ全てを探そうとして、頭から足の先までね
私は鋭い視線から放たれる熱く繊細な眼差しを味わうの
それから、彼らは見た目の魅力から隠れた美しさをも明らかにしようとする
こうやって欲望の香気が包み込んで
私は幸せになるの!
それで、あなたはわかってるんでしょ?
思い出し、戸惑い、私から逃げるの?
よく分かるわ、
苦しみを口に出したくないのね、死んでしまいたいくらいの!
ムゼッタは、とても美しく魅力的な女性、そして自信とプライドがある強気な女の子だと読み解けます。
多くの歌手が歌っていますので、単体で聞くこともできますが、
ぜひオペラの劇の流れの中でも聞いて頂きたいです♪
オペラの劇中で聞くと、アリアの途中で
アルチンドロ「あの下品な歌は頭にくる。周りが何と思うか!」
ミミ「私は分かるは、あの可哀想な人は、マルチェッロが大好きなのね」
マルチェッロ「俺を椅子に縛り付けてくれ」
と、周りの人々の言葉が入ってきます。
このレストランに連れてきたパトロンのアルチンドロは、ムゼッタが癇癪起こし、マルチェッロに聞こえる様に大声で色々言うものですから、声を小さくして!とか、周りの人の目を気にしています。
ミミは、初めて会ったムゼッタですが、彼女が恋に落ちていることが分かると共感しています。ミミが優しい女性だという事がうかがえる気がします。
マルチェッロは、自分に当て付けてきていることが分かっているので、ムゼッタの言っている通りで頭を抱え、彼女の魅力と誘惑に抗おうとしています。
このように、より立体的に音楽を楽しみ、想像できるようになるとおもうので、このアリアが好きだな!とおもっていらっしゃったら、是非オペラも観てみてください。
この後、ムゼッタの誘惑が勝利するのか、マルチェッロの忍耐が保たれるのか、恋の行方がどうなるのか、オペラ『ラ・ボエーム』を見て確かめてみてくださいね!この場面は、第2幕です。
クラシック音楽が、皆様の喜びや楽しみや癒しとなりますように♪
それでは、また!