こんにちは、ミミです。夏に聞いて頂きたい、私の大好きな一曲をご紹介します。
オットリーノ・レスピーギ(1879-1936)作曲の歌曲(オペラの歌ではない作品)
「昔の歌に寄せて」
レスピーギの作品では<ローマ三部作>と呼ばれている交響詩(=簡単に言うとオーケストラの曲)が一番有名で、それしか知らないと言う方が多いと思うのですが、歌も大変魅力的なので、楽しんで頂きたいと思います。
レスピーギは教育者でもあり、16世紀~18世紀の古楽も研究し、作曲に生かしています。この歌も、“昔の歌”をモチーフとして作曲されています。どういうことか、詳しく見ていきましょう^^
【レスピーギ】昔の歌に寄せて
この曲は、ピアノの伴奏に“昔の歌”が使われているのです。「Intorno all’idol mio」(憧れの人の周りに)というバロック時代に作曲された曲をモチーフに使っています。作曲はアントニオ・チェスティ(1623-1669)
まず、ベースとなってる曲を聞いてみてください。
「私のあこがれのあの人に、そよ風よ優しく吹いて、そしてあの人の気高い頬に口づけをしてください。
安らぎの翼に眠っている愛しい人に寄り添い、私の情熱をそっと伝えてほしい」という内容です。
そして、今日ご紹介している曲はこちらです。
最初の「Intorno all’idol mio」のメロディーが聞こえますか?!
そしてその上に、喋るように歌が乗っています。
詩の内容は「あの昔の歌が立ち上って、聞こえてこないかい。」という事からはじまり、昔の恋人とのやりとりが回想されている内容です。
詳しい詩の内容は、こちららで朗読していますので、合わせて聞いてみてください。
「僕たちの言葉があの昔の歌から聞こえないかい?僕は君を蘇らせた、そして君が再び陽の光をみて、語り掛けてくれる」というのは、昔の恋人ともとれますが、このバロック時代の歌を蘇らせて違う曲にしたとに対して言っているのかなと思わせます。
昔の歌にのせて(何百年も前の典雅な曲に)、その昔の歌の表現する風がふいてくるかのようで、そして昔の出来事を思い出している。それが儚く、鮮明な夏の日差し、また、熱い空気を吹かすかのような・・・
いくつもの要素の絡み合う、とーっても素敵な曲だと私は思います。
ぜひ多くの方に知って頂きたい一曲です。
クラシック音楽がより多くの方の楽しみとなりますように。