モーツアルト作曲オペラ『フィガロの結婚』から、“手紙の二重唱”と呼ばれる曲の紹介をします。
歌っているのは、伯爵夫人と召使のスザンナです。
場面は、伯爵夫人のお部屋。夫人に言われた内容を、スザンナが手紙に書きうつしています。
とある計画の為の小道具となる手紙
女好きな伯爵をスザンナの書いた手紙でおびき出し、待ち合わせ場所には奥さんである伯爵夫人が待っている・・・
これで好色な伯爵を懲らしめようという作戦です。
男性には恐ろしいドッキリ企画ですね!笑
では、歌詩の内容を詳しくみていきましょう。
Sull’aria「そよ風に寄せる歌」
という夫人の言葉から歌がはじまります。aria=歌 という意味です。オペラアリア、というのと同じです。
(アリアという言葉について分からない、興味ある方詳しくは
こちらの記事をどうぞhttps://operamimi.net/operaaria/)
続きです。
優しい西風が 今夜吹くでしょう 幾多の松の枝の間を
この部分はスザンナが手紙に書いているので、夫人の歌った言葉をスザンナガ繰り返していることが聞くと分かると思います。
この西風というのは、春に吹くそよ風、とてもかすかな微風という表現です。抑えられない恋心のようなニュアンスを、文章を考えている夫人はイメージしていたのかもしれません。素敵な歌ですよね。
今夜松の木のところで待っていますよ、というお手紙です。
(夫人)あの人なら、これ以上書かなくても分かるでしょう
Certo ,certo そうですね、きっとお分かりになりますわ
最後は2人で「きっと分かるでしょう」と歌っています。
文章にすると短いですが、細かいニュアンスが込められた詩を理解すると音楽が更に楽しめると思います。聞いてみてくださいね。